へっぽこ入院日記 2017
「起きてください」
「せーのっ」
ボコスカ。
この会話で目覚めたのでした。
なんと部屋のベッドの上。
正確にはもっと前から起きてくださいとか言われていたかも知れませんけど、とにかく意識が普通になったらベッドの上にいた。
階段を上がろうとしたら下りていたポルナレフもビックリですよ。
何かいろいろ話かけられますが、正直言ってよく覚えていない。
喉が痛いのと、異常なくらいトイレに行きたくなっている。
「トイレに行っていいですか?」
と聞いたのです。
お医者様「いいよ!いっトイレ!」
という回答を期待したのですが、チューブ?とかの影響でそうなっているだけとの事。
軽く無視された。
そもそも今何時なのだろう。
時間が分からない。
テーブルに置いてあったスマホは手を伸ばせば届く位置。
点滴をしている手で頑張ってスマホを手に取ってみると何と20時過ぎ。
夕方に手術室に入ったから、4時間くらい?の手術だったのでしょうか。
この辺りの説明は一切無かったから、どんな手術だったかも全く分かっていないのが正直なところ。
意識を取り戻して、よくよく冷静になってみると、体のアチコチが痛い気がしてきた。
口には呼吸するマスクみたいなのも付いている。
これが病人か・・・と少し考えたのですが、医師とか看護師がいなくなってから、時間の経過と共に痛みも和らいできて快適になってきた。
「これならすぐ退院できるかも!」
「明日はベッドの上から仕事ができるな」
「スマホゲームやりまくって時間をつぶそう」
これから始まる地獄を知らずに平和な世の中でした。
どうしてもスマホの充電器だけは必要になるので、弟に頼んで買ってきてもらったのです。
スマホだけは弄れてましたからね、メールというツールを使えば意思が伝わる便利な世の中。
充電器を買ってきてもらって、これで最大の難関を突破したという充実感。
電源はすぐ真横にあるから、ちょっと起きて手を伸ばして差すだけ・・・え?えええ?
この時に初めて気が付いたのです。
自分の置かれている状況を・・・。