へっぽこ入院日記 2017
とにかく寝ようと思った。
寝まくってこの状況を一刻も早く忘れたい。
入院した病院は消灯が22時。
ちょっと遅めなのかも知れません。
4人部屋だったけど、カーテンで仕切られているので、誰が誰だかは分かりません。
雰囲気から全てのベッドは埋まってはいたようです。
これは想像ですけど皆オッサンで、プロファイリングすると10代~20代、もしくは30代~40代、または50代以上の人物だったでしょう。
外科の部屋なので、自分と同じ状況の人もいるかも知れません。
うめき声が聞こえるかも・・・なんて不安にもなったのですが、それどころではなかった。
22時に消灯があり、早く意識がなくなりたい・・・そのようにサンタさんに頼んだかどうかは忘れたけど、頑張って寝ようとする訳です。
けれども、なかなか寝付けない。
早く寝ないと・・・。
その後、運命の瞬間はすぐにやってきたのでした。
グガーグーガガガガガー、ゴゴゴゴゴッ。
「ジョジョの奇妙な冒険」の擬音ではありません。
何だ、この音は。
久しく忘れていた別の地獄を思い出したのです。
そうなのです。
いびき。
「え?こんなにうるさいの?」
本気でそう思う程の音量でした。
地響きであり、ライブ会場。
充電器しか買ってきてもらっていないので、耳栓なんて高度な器具はありません。
寝ようとは思うけど、1度気になるとこのいびきが収まらないと寝ることができない。
ちょっと時間が経過すると、他の人のいびきも聞こえてきた。
まさに絶妙なハーモニー。
まあ、自分ももしかすると寝ている時に迷惑をかけていた可能性があるし、我慢するしかないのは当然分かります。
ふと昔を思い出したのです。
小学生の頃は体が弱かった(頭も弱かった、顔も悪かった)ので入院を結構していたのですが、記憶が蘇ってきました。
当時もいびきがかなりうるさいお子様(小児病棟だった)はいました。
うん十年ぶりに懐かしい思い出が蘇ってきたのですが、いびきは時として「これ大丈夫なの?」という心配も出てきます。
右奥の人は本当に呼吸困難になっているのでは?というくらいの地響き。
この地響きはこの後数日、この方が退院するまで続くことになります。
痛みや精神的な事もあったでしょうけど、結局初日の夜はほとんど眠れなかった。
3時過ぎに我慢できないくらいの痛みがあり、痛み止めをしてもらうために看護師を呼んだのです。
その時にいびき問題を相談したのですが、耳栓等で凌いでくださいという教科書通りの回答だったことを付け加えておきましょう。
「明日からどうなるのだろう」。
不安な夜、略してふある。
ふあるふあるという感じで、朝になったのでした。