へっぽこ入院日記 2017
時は来たれりらりらりらりるれろ。
いよいよ手術の時間となりました。
手術をするという決断をしてから1時間30分くらいしか経っていません。
多分、いろいろ悩む時間があったら決断できなかったのではないか、なんて少し思います。
私は優柔不断で怪しい考えを持っている人間ですから、十分な時間があったら、インターネットという最終兵器で調べまくって、薬で散らす方法をとったかも知れません。
何事も勢いというのは大事ですね。
6階の病室から3階の手術室まで徒歩でとほほ、という感じで歩いて行ったのですが、手術室に着いた途端「ヤバい所に来たな」と感じる。
何部屋も手術する場所があって、慌ただしく動いている看護師や医師の方々。
最近呼んだ漫画だと、スーパードクターKがあるのですが、北斗のケンシロウみたいな主人公が凄い外科医なのです。
その漫画と同じ光景が目の前にある。
今日の執刀医は女性の方みたい、まず紹介を受けます。
それから名前と生年月日と病名(手術をする箇所だったかも)を聞かれます。
名前と生年月日はかろうじて覚えていましたけど、病名・・・何だっけ。
ここでド忘れをしてしまいます。
本当に記憶力がないのです、昨日食べたカレーのご飯粒の数すら覚えていない。
この日記を書いている今でこそ「急性虫垂炎」と病名を覚えているけど、当時は何の病気なのか、どこを手術するのかもよく分かっていなかった。
虫垂炎と盲腸の違い、名前と生年月日の違いすら分から・・・名前の違いは分かるけど、とにかく病名が答えられない。
一緒に手術室まで付き添いしてくれた看護師から聞いて、何とか病名を答えることができた。
その後は、中に入って手術をするベッドに横たわるのです。
ああ、この視界こそ手術だ~と、ヤバい感じもありながら、少しワクワク感があったかも知れません。
しかしながら、説明をあまり受けていないので、どんな手術をするのかもよく分からない。
説明があまりないけど、あとで手術の動画とか見せてくれるのかな?
Youtubeで公開されたらどうしよう。
ワクワク感が不安感に変わっていくのも早かった。
続々と人が集まってくる。
挨拶されたような気もするけど、不安感からあまり覚えていない。
そして、病名も全く覚えられていなかった。
改めて手術するベッドに寝かされてから、名前と生年月日・・・そして病名を聞かれる。
さっき聞かれたじゃん・・・と思いつつ、名前は7月生まれで、生年月日は○○(本名)と答える・・・訳はないのですが、病名が思い出せない。
病名・・・何だっけ。
頭が真っ白でしたよ。
ちょっと恥ずかしい奴と思われていたかも知れません。
結局、何の病気かよく分からなかったけど、執刀医の方がボソっと答えを言ったので、同じ事を復唱しただけ。
数分後、手術のプレイボール。
そう言えば全身麻酔ってどうやって入れられるのだろう。
注射とかされるのかな、痛そうだし怖すぎる。
呼吸ができなくなるから、口に何かするとか言ってたな・・・。
昨日のカレーが恋しいな・・・なんて思っている内に次の研ぎ澄まされた言葉がかかる。
「麻酔いきます。」
え?えええ?
見事に意識が飛んだのでした。
初回の先頭打者が三球三振と言えば分かりやすいでしょうか。